[その1(いでっち)]
朝7時にサーキットに着くと、晴れ間も見えて意外と暖かい。人もまばらだったパドックも、車検が始まりぼちぼちと動きがでてきた。各チームのドライバーが到着するとあっという間に人だかりができる。TIや美祢は地元の人たちがビッグイベントを楽しみにしているのが感じ取れ、サーキットが期待に満ちあふれているように思える。
カートの予選の後、10:00からGTの予選が始まった。天気は晴れ。auは開始から5分ほど遅れてコースイン。昨年同様立川選手がアタックしている。序盤から好調なのはNSX勢。コースレコードを続々と更新していく。スープラ勢で好調なのが25号車と39号車。この2台に共通なのはヨコハマタイヤを履いていること。反対に昨年好成績だった1号車と6号車は10位以下に沈んでいる。結局500クラス占有走行でauは11位。上位3台は1'25.111のコースレコードを記録した64号車を始め、18号車、16号車とNSXが独占した。
土曜日にも関わらずピットは大混雑。ピットウォークのはじめにドライバーの記念撮影があったのでグリッドに全員集合。人混みも撮影場所に集中。その後ポラチャリが始まり、たくさんの人が参加していた。2回目の予選に向けて立川選手に聞いてみると「もうちょっと上に行かないとね」とのこと。11位なんてチャンピオンチームにふさわしくない! 2回目に期待しよう!!
ピットウォークの後、ステージでは監督トークショーが。我らがauの佐藤代表も登場。「予選のアタックドライバー、決勝のスタートドライバーの決め方は?」との質問に、「今年も昨年同様に立川選手がアタックする。決勝も、前半はベテランの竹内選手が走り、順位をキープしたままバトンタッチし、立川選手が後半プッシュするという体制で行きます」との回答。たまにはスタートドライバーの立川選手も見てみたい気もしたり(^^;;。
15:00から500クラスと300クラス混走による予選が始まった。立川選手は2〜3周するとピットに戻っている。まだ本格的にアタックをする気配がないまま20分が経過。他チームも1回目のタイムを上回るチームはほとんどなく、落ち着いた予選になっている。
15:40から500クラスの占有。2回目のトップは64号車。立川選手は残り5分というところで1回目の予選タイムを上回り、1'25.840で2位に。コンディションが悪い中でのタイムアップは流石である。
総合結果ではauは8位。4列目からのスタートとなった。絶好調のNSX勢にどこまで迫れるかがポイントになりそうだ。
朝のフリー走行を前にウィリアムズコーナーに移動すると、オフィシャルの人たちが慌ただしく動いている。なんと犬がコースに入ってしまい、必死に追い出していたのだった。その後コースに入ってくることはなかったので、大きなアクシデントにはならず一安心。
フリー走行は9:10から開始。前半は竹内選手の走行。後半立川選手に交替したところで赤旗。9:37に走行が再開された。1号車は8番手のタイムを出す。竹内選手も立川選手も順調に周回を重ねていたようなので、セッティングはうまくいっているのであろう。
トップはまたも64号車。今回向かうところ敵なしといったところか。2番手以降は16、39、100、8、18、76、1、25、22。GT-Rは下位に沈んでいる。
13:05からウォームアップ走行が始まり、スタートドライバーの竹内選手がマシンの感触を確かめる。各マシングリッドに着き、スタートを待つ。
予定通り14:00からローリング開始。ゆっくりとコースを周回してスタート! 1コーナーは団子状態。その中で竹内選手は76号車を抜き7位に! 前の39号車を追いかける。1週終えた時点でトップは64号車。以下、18、16、25、22、39、1、36、76、8、100。
64号車はぶっちぎりの速さで独走状態を築く。39号車の走りが良く、5周目に22号車を抜いて5位に上がると25号車に攻めかかる。22号車はあまりペースが上がらずに1号車との差が詰まってきた。6位に順位を上げることができるかと思っていた10周目、ミスがあったのか36号車に抜かれてしまい8位になってしまった。20周を終えた時点で39号車が25号車を抜いて4位に浮上し、18号車、16号車との2位争いを繰り広げる。1号車は22号車、36号車と数珠繋ぎで6位争いのバトルを続けている。
25周目、竹内選手は1コーナーで36号車のインを攻めるが惜しくも順位アップならず。逆に背後から近づいてきた76号車に攻められてしまう。
30周を過ぎたところで上位陣は激しく入れ替わり、39号車が16号車を抜いて3位に、そして36号車が22号車を抜いて6位に浮上。苦しい展開を乗り切った1号車は35周目に22号車を抜いて再び7位に順位を戻した。
35周目に6号車がドライバー交替を行ったのを皮切りに、各チームピットインの準備を始めた。22号車がドライバー交替を行い、64号車と18号車の間でコースに戻った。そして38周を終えたところで16号車、1号車、33号車が同時にピットイン。16号車がピット作業でもたついている間に1号車は迅速なピットワークでコースに戻り、6号車と22号車の間に入った。
18号車は39号車に抜かれ順位を落とした後でドライバー交替を行い巻き返しを図る。64号車、36号車、100号車もピットイン。特にアクシデントはなくコースに戻ったようだ。
立川選手は飯田選手が乗る6号車を抜きあぐねていたが、45周目にダブルヘアピンでオーバーテイク!これで実質4位である。上位陣が軒並みピット作業を終えた50周時点の順位は、64、39、18、1、6、25、16、36、8、100、22。64号車はよほどのアクシデントがない限りトップの座を譲ることは無さそうだ。
1号車と前を行く18号車の差はかなり広がっており、立川選手の独走が続く。前を必死に追い上げ表彰台を狙うのか?それとも次戦はスープラ有利の富士。ウェイトハンデを考えて、このまま無理せず4位狙いの走行をするのだろうか。
60周を経過したあたりで、NSX対スープラのバトルが激しくなってきた。39号車に18号車が追いつき2位争い。66周目にヘアピンで順位が入れ替わる。1号車の後方、6号車と16号車の5位争いは、70周目にダブルヘアピンで2台が接触してコースアウト。16号車が先にコースに復帰した。その後6号車はペースが上がらず、順位を落としてしまう。
残り10周。3位を走る39号車と1号車の差が詰まってきた! もしかして、表彰台の可能性も?! レース前の作戦では4位狙いとか言っていて、走り出すと「行け行けドンドン」というチーム体制は今年も健在なのか? 場内の大型ビジョンでも1号車の追い上げがクローズアップされている。
あと5周、あと4周、あと3周・・・もう39号車は目の前である。しかしここで300クラスの集団に追いついてしまい、わずかに差が広がってしまった。周回遅れをかわすともうファイナルラップ。猛烈な追い上げで再びテールトゥノーズ。勝負は最終コーナーからストレートまでもつれこんだが・・・わずかに追いつかずに4位でチェッカー! うーん惜しかったぁ。
優勝は64号車。2位は18号車。3位に39号車が入りNSXの表彰台独占は免れた。
トップが独走してしまったのが残念だが、2位以降は非常に面白いバトルの連続で、最後まで目が離せない展開だった。その中でも、立川選手のすさまじい追い上げは昨年の富士での6号車とのバトルを彷彿とさせ、今シーズンの活躍を期待させる走りであった。まずは富士で久しぶりの「優勝」の喜びを味わおう。今からゴールデンウィークが待ち遠しい!
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