[その1(かもさん)]
雨が残っている。しかし午後は晴れるとの予報があるため、各車積極的には動いていないようだ。それでもタイムがまったくなければ2回目セッションで万が一雨が残っていた場合にどうしようもなくなるので、とりあえずタイムを出すという感じか。
auスープラはとりあえずタイムを出すだけにしているようだ。タイムはよくは無い。
1回目の結果はなかなか興味深い。
6スープラ、23 GT-R、30マクラーレン、8 NSX....と上位4台が4つの車種。とくにマクラーレンが富士に強い(というか弱くない)のを証明しつつ、ウエットながらも上位に顔を出してくれた。
38スープラは11番手。トップとは5秒の差があった。(このときタイムを出したのは竹内選手)
まあ、2回目は晴れるだろう。と、あまり気にしないことにした。
予想通り晴れた。熾烈なグリッド争いが展開される。
スープラ....特にBSユーザーである6と38の争いが熾烈を極める。それに絡んでくるのは意外にも(?)30マクラーレン。他のスープラ勢はタイヤのマッチングがよろしくないのか、上位に顔を出して来れないようだ。それでもスープラ勢は予選では有利か?
NSX、GTR勢も頑張っている印象はあるが、上位争いの蚊帳の外か。
予選セッションが終盤を迎えた時、30マクラーレンがトップに踊り出る!
確かにマクラーレンはストレートの長い富士ではある程度短所を隠せる。それにしても、一時的にとはいえ、トップタイムをマークしたのは拍手。これは他のマシンが遅かっただけのアヤでないことは、そのタイムがコースレコードであったことからも証明できる。
そしてその後は6と38のトップ争い。38がトップに立てば、次のラップでは6がトップに立つ。まるでスプリントレースの予選のようだ。目が離せない。
今回は500kmのレース。私は予選グリッドはさほど重要ではないと思っていた。問題になるのは決勝でのコンスタントラップと2回が予想されるピットワークだ。
結果、6番が最後の最後にタイムを出して終了。auは残念ながらポールはダッシュできなかったが、それにしてもこの2台が決勝を優位に進めそうな感じはこの段階から感じられた。
グラスタ裏にあるauのテントで小さなトークショーが行われた。竹内選手も立川選手も予選の好調さと決勝にむける自信が見え隠れする。
ここでauは3スティント作戦ということがわかる。立川選手-竹内選手-立川選手で繋ぐ。
立川選手は「順位キープして竹内選手に渡すと、竹内選手が抜いてきてくれるはずなので、また順位キープでゴール」というシナリオだと言っていた。
苦笑いする竹内選手が気になったけど....(^^;
観戦ポイントは毎度の1コーナー。
フォーメーションラップが終わり、シグナルグリーンからスタートが切られる。
場内放送では6番が出遅れたと言っている。「を、これは38がトップで来るか?」と思って見ていると、イン側をおさえて入ってきたのは、黄色いマシン....30番マクラーレンだった!
114周もあるレース。しかも富士、抜ける。オープニングラップの1コーナーのポジションの価値は解釈が難しい。しかし、予選を含めて絶好調マクラーレン、ここでトップランは素晴らしかった。1コーナーではどよめきにも似た歓声があがる。
2番手に38、3番手に6番。
30番マクラーレンの天下は短かった....あまりにも38番と6番が速い。しかし、黄色いマシンはその後も後続を苦しめる存在となる。
30番をオーバーテイクしてからの38番はやたらに速い。1分27秒をコンスタントに並べ、6番すら引き離していく。
「速すぎる....」と私は思ってしまった。確かに「決勝セッティングをかなり詰めた」という38番、この快走は当然なのかもしれないが....タイヤは持つのか....トラブルはほんとに解消したのか....500kmのレースは長い。今は 114周の内のわずかに20%にも満たない周回数なのである。
しかし、1スティント目の立川選手はとんでもなく速かった。寿一との真正面勝負になったがまったく寄せ付けない。
しかし、レースの1/3をまもなく迎えようかという30周を過ぎたあたり(?)から、38と6の間隔が見た目にも縮まってきた。その差を放送が刻々と伝える。6番のペースアップはもちろんわかっていたのだろうが、その差は縮まりつづける。これは寿一選手の速さを誉めるべきだろう。
そして、テールtoノーズになったことを察知してか計画通りか、38番がピットインする。竹内選手にドライバーチェンジし、給油が行われ、再スタート。
が、ここで痛恨のエンスト。すぐにかけなおして出るが、ロスがあったことは間違いない。6番との差が無かっただけにこれは致命的か?
そしてその数周後、6番がピットイン、野田選手に交代して無難に....いやむしろすばやくピットアウトしていく。これで順位が逆転する。
その差は 20秒以上だったか....これを詰めること、そしてひっくり返すことはできたとしてもかなり難しい。
が、その直後に最終コーナーでアクシデント(GT300のマシンのコースオフ)があり、SCが導入される。
間に周回遅れが入るが、差がなくなった。これは38番にとってはかなりラッキーな出来事であった。
そしてSCが抜け、レーシングラップが再開される。
必死に追う竹内選手だが、その差は徐々に開く。
1コーナーを見ているとどうにも乗りづらいのか、ラインが一定していない。
ハコの名手として名高い竹内選手、セッティングの方向がまったく違うという立川選手とのコンビは3年目でお互いを知っているはずだ。
今回は立川選手の方が長く乗るので、立川選手側にセッティングを振ったのかもしれないが、それにしても辛そうな感じがした。実際差がじりじりと開いていく。
#ブレーキトラブルがあったらしい。
ところでレースを面白くしてくれた30番だが、他車との接触でコースオフして順位を落とし、1回目のピットインを最終コーナーでストップ、リタイヤしている。
うーん、残念だ....
レースは完全に01スープラ+BSの独壇場。
そして2回目のピットインが行われる。今回も38番が先に入る。竹内選手から立川選手に交代し、そして給油、そして再スタート。
だがしかし、ここでまたしてもエンスト。まるでリプレイを見るかのようにかけなおして出て行くが、またしても致命的なロス。
その後6番がピットインすると、こちらはまたしてもきっちりとピットワークをこなし、野田選手から寿一選手に交代して出て行く。
レーシングスピードではまったく互角である2つのマシン、しかしピットワークで差がついてしまう。これが耐久の怖さであり、面白さ。
しかし、38番に肩入れしてみているだけにこれは残念でしょうがなかった。(^^;
寿一選手はもう楽勝モードである。立川選手のほうがペースは速いので、じりじりとそのマージンは切り取られるが、トラブルさえなければ勝てる。
38号車の後ろはこれまたかなり離れている。
レースはこのまま終わるかに思われた。
って、6号車と38号車の争いは。
その後ろでは各ポジションでかなり熾烈なバトルが展開されていた。
レースが終わりを告げようかという100周を越えたとき、アクシデントが起こった。各ポジションでの熾烈な争い....その中にいた18号車がコースオフして、バリアに当たって TIの38号車になった(横転(^^;)という。(ドライバーは無事)
またしても SC。しかし、横転したマシンを撤去するには時間がかかる。確かに6号車と38号車の間隔は詰まるが、レースはSCが引っ張ったままにチェッカーとなることも考えた。しかし、さすがわかっているのかSC。やたらにスピードが遅い。(爆)
そして、114周、3時間のレースのフィナーレはわずか3ラップの超スプリントバトルでの決着という、バラエティ番組のクイズコーナーの最終問題みたいな展開である。
6号車の後ろには数台の周回遅れがいて、そして38号車。見えていなかったはずのテールが今は見える。
SCが去り、レーシングラップが再開。あっという間にGT300を置き去りにし、周回遅れをかわし、6号車を必至に追う立川選手。差は3秒。
ここがいくら富士でも、追いついても抜くまでにはもう2,3周ほしい。下手なトラブルやアクシデント(ミスからのスピン)を避けるために、無理にペースを上げなくてもいいという話もある。
が、そこで終わってはレースではない。わずかな可能性にかけて1分26秒台のラップを刻んで立川選手は寿一選手のテールを追った。1スティント目で見せた「速い立川選手」はここにも居た。
そして、長い500kmのレースが終わる。立川選手は0.9秒まで追い詰めたが、2位。
よいではないか。2位で。
攻めて攻めて掴んだ2位だ。ピットワークの課題はあるにせよ、今スープラに乗せたら一番速いのは誰が見ても立川選手だ。と思わせるだけの走りを見せた。(実際ファーステストラップは立川選手)
FNでの2位表彰台、そしてGTでの2位表彰台。直接的な関係はないにせよ、立川選手には今まで無関係だったかもしれない(^^;)「流れを掴んだ」と思える結果だったと思う。
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