[その1(かもさん)]
個人的には最初に国内レースを見たのが美祢だった(なぜ?)のもあり、お気に入りのサーキットである。確かに3秒差くらいの差がないとオーバーテイクはできないだろうから、レースはまったりする。ちょい前までは「荒れる美祢」と言われ、毎度毎度赤旗が出ていたのだが、前回(2000年秋)はその影をひそめている。
掲示板に書いたが、私はレース前から「立川選手はセットアップを一発で出せるか?」がポイントになると思っていた。これまでもセットアップが上手く進まずに(エンジニアとのコミュニケーションもまだあるのか?)予選日に出遅れるケースが多い。
新車ではまだ走っていない美祢。直前に富士でテストはあったが、美祢と富士ではコースの性格がまったく異なる。意味が無いとは思わないが、よほど上手くやらないと富士のテスト結果は美祢には通用しない。
予選結果が悪いとアクシデントに巻き込まれやすいし、抜けない美祢では致命傷である。極端な話、予選日が全て。と思っていた。
美祢は「得意」と言う。確かにシーズン前のテストではトップタイムだしたり、2000年の秋美祢も3位グリッドだ。悪くない。
けど、結果はとにかく出ていない。2000年秋美祢は 4位と言うリザルトがあるが、レースが終わる直前にギアトラブルで薄氷の4位だった。
ついてないのだ。むしろ富士のほうが結果は出ているし、茂木のほうがいいレースをしている。
美祢で結果が出れば....私は今回の美祢で立川選手の初優勝を本気で期待していた。
今回は福岡空港からの移動になったため、予選日フリーには間に合わなかった。
リザルトも記憶が無い。(ぉぃ)
1コーナーで観る。タイム掲示が見えないのでちゃんと掌握できていないのだが、どうもタイムは出ていない。
アンダーが出て、話にならないらしい。
「やってしまったか....」と思った。
長々とレポート前に書いたように、予選日が肝だ。フリーでセットの方向を見つけ、予選中はアジャストだけで済ませないと、本山選手らの「本命」達には割り込んでいけない。
予選1回目、6位。トップ本山選手と1秒差。
悪くは無い。が、勝てる位置ではない。
グラスタで見る。うーん、せっかくのビジョンが日の光を浴びて読みづらいぞ。(^^;
序盤はのほほーんと見ていた。勝負は残り10分だ。
今のところ、立川選手は後方に埋もれている。まだセットアップをやってる状態なのか、1回の周回数が普段よりも少ない気がする。
そして残り10分、勝負のときがきた。
一度3番手まで上がるが、あっという間に6位以降に埋もれた。ある意味予想通りだった。これでは勝てない....
結果 7位。私は既にこのグリッドを「悪くない」とは思わない。悪いグリッドなのである。勝てるポテンシャルのドライバーには。
情報を集めると「アンダー病」らしい。それがいつまでも消えずに、タイムが出せなかったらしい。
「やってしまった」と思った。
案の定、予選日にセットアップが終わらなかった。これでは決勝日にギャンブルが残る。
パドック内から2ヘアピン手前の左コーナーを中心に見ていた。
目に付くのが本山選手。得意の美祢で流れを引き寄せようという意思が見えるようだ。
アンダーだという立川選手、予選日にはこのポイントでは見ていないので比較のしようも無いのだが....ん、これってもしかして逆にオーバーになってないかぁ?(^^;
「予選日アンダーだったので、決勝は思い切ってオーバー側に振ったら、オーバーになりすぎて....」
と言うのは、よく聞く話だ。それにハマったのではないかと、かなり不安になる。
しかし、何度見ても私の目にはオーバーに見える。どっちにしても「立川選手らしい」コーナーリングではなく、決勝も苦しい戦いになるのではないかと思っていた。
暑い....この暑さでは1周目タイヤ交換の作戦は取りづらいか....
スタートが切られた。波乱もなく各車がコーナーをクリアしていく。
上位8台くらいが固まりになるが、その中で本山選手は既に抜け出しているか。
いきなりブラックフラッグが出る。誰かと思えば、またしても寿一選手であった。
もったいない....土屋選手に予選で先にいかれ、焦りがあったのだろうか。その気持ちはわからなくもないが、さすがに2連荘のフライングはまずかろう。
トップ集団の中に立川選手はいた。順位は1つ上がっている。
1コーナーのブレーキングポイント付近で見ていたのだが、そのトップ集団の中に数台レブに当たっている音がするマシンがある。そのうちの1台はだいぶ手前から当たっているようだ。誰かはわからないが、確かに追い風のメインストレート、そういうこともありえるだろう。昨年の秋美祢で立川選手もやっている(予選日フリーのとき)
バラけてきたので確認しようと、耳を立てる。
「げ、立川選手だ(^^;」
うーん、これでは抜かれることは無いかもしれないが、1コーナーでの勝負はできないだろう。これがトラブルに直結するとは思わないが、とにかくマシンのセッティングはおお外れだったのではないか。
最初は前にくっついていた立川選手だったが、徐々についていけなくなり後ろからつつかれる。ペースアップできてないのだろう。
タイヤ交換が行われ、無事に交換して出て行くが、レースに変動が無い。
淡々とレースが進む。
美祢はやはり抜けない。
延々テールtoノーズのバトルになっていた道上選手、やっとの思いで金石選手の前に出たのだが、その後は1周2秒以上引き離している。そんなに差があっても抜けない。
すっかりまったりモードでレースを見てしまった。本山選手はまったく問題のない走り。土屋選手はスタートミスが響いたが、無事に(これまた得意の美祢?)で表彰台が見えてきた。
立川選手は6位。ナレイン選手から煽られているが、まあ抜けないのでそのまま無事にフィニッシュすればよい。
と思っていると、ナレイン選手にペナルティ。ピットレーンのスピード違反か?
これで完全に楽になった。
が、ついてない美祢はここで本領発揮。(^^;
わずかにあと2周となかったところで「立川選手、ストップ」との情報が流れてくる。
うーむ。(この時点ではトラブルなのかミスなのか知らなかったが、結局はミスだったらしい)
レースは圧倒的な強さを見せて「美祢得意」の本山選手が勝つ。そして2位には「美祢得意」のファーマン選手、3位表彰台には去年走った経験が生きたか「美祢得意」の土屋選手。
トヨタ若手三羽烏(なんて誰も言ってねぇよ)は、第1戦荒選手3位、第2戦立川選手2位、第3戦土屋選手3位。と見事に結果を出してきた。
まだシーズンは始まったばかりだ。
ベテラン服部選手が逃げているが、それに今回エンジンのかかった本山選手とファーマン選手、そしてトヨタの3人がそれに絡んでくることを期待したい。
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