直前の鈴鹿の走行会は見ていないが....
立川選手が今年乗る 01L は、直前の 3/18 に納車(?)され、初日はモノが到着しただけ。2日目に少し動かすことができたが、情報によると完全な状態ではなくほとんど素の状態で転がしただけのようであった。
そのときのタイムは 10番手(だったかな?)。これは非常に判断が難しいが、そんなに過激に悪くないということだけはわかった。
そしてあっという間に開幕戦である。
2KLから01Lへの変更点はあまり多くないのでセッティングはある程度持ち込めるのだろうが、それでもエンジニアらががらりと変わった今シーズンの頭、混乱無くセッティングが進めばいいなぁ。と願っていた。
なぜかヘアピンに居た。
ヘアピンで印象的だったのは荒選手。非常にまとまっていて速い印象。速そうに見えるがとっちらかっていない。スムースに速い。荒選手はセルモ....あんまりあっさり結果出されてしまうと立川選手の立場が....(^^;
立川選手も特に悪い感じはしなかったが、連続して周回をこなしているわけではない。これはまだまだセッティングの余地が残っているということなのだろう。
S字。S字から逆バンクは最近改修されたばかりだ。併催のシビック鈴鹿のドライバーに聞くと「全然違う」らしい。FNではどうなのかわからないが、S字から逆バンクはリズムで切り替えしていくと聞く。そのリズムが変わったところをどう攻略するのか。
ここで印象に残る走りをしていたのは土屋選手だった。ヘアピンでよさげだった荒選手はS字はちょっととっちらかっている感じがする。
どちらにしてもこの荒選手と土屋選手はとてもルーキーとは思えない落ち着きぶりで、淡々と仕事をこなしてタイムを出している印象。
2000年の十勝24時間レースでエンドレススープラを優勝に導いた3人がそれぞれ様々な回り道をしながら、やっと今対等にフォーミュラのトップカテゴリーで競い合うときがきた。今年のFNは本山選手、寿一選手、そして道上選手が中心になり、松田選手ラルフ、クルムが絡む。という予想が多いと思うが、そこに立川/土屋/荒の3選手が割り込んでくることを期待したいものだ。
さて、S字の立川選手だが、悪くは無いか?....うーん、よくわからない。(^^;
「立川選手らしい」とは感じなかったのだが、私の目の感覚的なものでタイムと順位がよくわからないS字(順位掲示がS字から見えなくなった!)では、なんともいえない感じだった。
結果は 8位。まだまだ走りこんでいないマシンではこの結果は御の字か。
グラスタに移動する。新しい電光掲示板にちょっと戸惑う。
毎度毎度FNの予選は残り15分からが勝負だ。各車がタイムを上げていくが、どうも立川選手のタイムの出方がよくない。確かに上位にはいるが、こんなはずではないのだがなぁ。新車の軽い重量のセッティングに迷いがあるのか?
ラスト10分で立川選手が出て行った。ニュータイヤか? と思うが、タイムアップせず、しかもあまり周回せずにピットインした。次だ。タイミングは悪くなさそうだ。
ガレージに収まりタイヤを換え、残り5分で立川選手はタイムアタックに出て行く。トラフィックは結構多い。アタックラップを邪魔されなければいいのだが....
一番タイムが出るのは結構気温も低くなっているので 3ラップ目あたりか?
上位に本山、寿一が並んでくる中、立川選手に注目する。
3ラップ目(だったと思う)、最終コーナーでダンデリオンのマシンに引っかかってしまった。シケインの様子がわからないのでなんとも言えないが、気にならないはずもない。タイムに影響するか?....このラップはタイムが出ていない。
もう1周か? ギリギリ2周いけるか? のタイミング。
立川選手がこの段階で3位に上がった。しかし、タイムはすごくいいわけでもない。もう1周いくのかと思ったが、立川選手のアタックラップはここで終了。
最後に服部選手がポールに飛び込み、場内を沸かせる。
最終結果は4番手。悪くない。
が、個人的には服部選手とのタイム差、タイムの出方、そして本山が消えているという状況を考えると、この4番手は単純に喜ぶだけの結果ではなかった。
雨である。結構降っている。1,2コーナースタンドで観戦。
記憶が無い。(ばく)
ただ、いえるのはS字の1,2個目の間に結構大きい川があるようで、そこで挙動を乱すマシンが多かったということだった。(実際3台がコースオフ)
このままヘビーウエットが予想される決勝。立川選手のマシンはウエットを走ったことが無い。またまたセッティングがリセットされる。こういう状況はあまり期待していなかったのだが....
雨が少し小降りになった....が、また強く振り出す。浅溝タイヤというギャンブルもあるが、上位陣はそろって深溝を選択したようだ。
スタートが切られる。
立川選手は無難なスタートを決めたようだ。が、アウトからクルム!
1,2コーナーをアウトからばっさり、そう本山のようにばっさりクルムが行く。その本山は予選はトラブルでアタックできず、スタートにかけていたはずだが珍しくミスして出遅れる。
S字手前で服部、クルム、寿一、立川、荒のオーダー。
2周目のストレートエンドで立川選手が荒選手にかわされた。が、あまりにもおかしい。1コーナーの飛び込みの段階で既にかなりの差がついていた。
ああ、こりゃトラブルだな....と思った。
2コーナーを立ち上がっていく立川選手のマシンは既に音がぁゃιぃ....
案の定、ピットイン。これで勝負させてもらえなくなってしまった。残念。
本山選手のマシンも変な音を立ててきた。
もしかすると 01Lの持病か? 電気系? よくわからないが、なんか吹け切らない感じの症状が似ている....
本山選手はリタイヤしたが、1ラップ遅れとなりながらも立川選手はコースに戻っていく。淡々と周回をこなす。ここで一発ファーステストでも出してくれると「立川ここにあり!」なのだが、そうも行かないようだ。どうもトラブルが完全に直っているわけではなく、ラップライムが安定しない。
走らないマシンと格闘したまま、レースが終わる。不完全燃焼。(^^;
レースディスタンスを走りきることができたことは好材料だった(でもウエットなんだよなぁ)し、ドライ/ウエットのコンディションも走れたことが、今後のレースに繋がることを期待したい。
待ちに待った開幕戦。鈴鹿は思ったよりも暖かく過ごしやすい。周りの山が切り崩され、なんかとても見晴らしが良くなった気がする鈴鹿サーキット。コースの改修は終わったけど、パドックの中もコースの周りもフェンスやロープだらけでちょっと行動しづらいかも。今年からFNの走行開始が朝一番ではなくなったので、パドックの様子を伺った後、のんびりとヘアピンまで移動。
10:15から走行開始。初めて見る立川選手の紅いマシン。他のドライバーよりも走り込んでいない新車の01L。この午前中の走行で悪いところは全部だして、予選までに対策を立てられるようになればいいなぁ、と思う。しかし、ヘアピンではかなりふらついていて、思うようにマシンは動いてくれないようだ。数ラップ走ってはピットに入りセッティングを直して出てくるが・・・公式練習の結果は8番手。予選の1回目は公式練習の延長かな。最後の最後に1番速ければ良いんだから、まだまだ時間はあるぞ。立川選手のチーフエンジニアは、去年5ZIGENでクルム選手の担当だったとか。きっと悪いところを見つけてくれるに違いない!それよりもチームメイトの金石選手がほとんど走れていないのが心配である・・・。
サポートレースを見ながら1コーナー側を通ってS字に移動。G席は風を防ぐものが無いので意外と冷え込んできた。
新しくなったコースはアスファルトがつぎはぎになっている。他のカテゴリーのあるドライバーは「コース取りが全然違う」と言っていたが、それはFNでも同じであろう。FNのドライバーたちは新しいコース取りをテストと午前中の走行で会得できたのだろうか?今回の改修で電光掲示板も新調されたのだが、S字側からの掲示ができなくなっている!上位の順位だけでも表示されればうれしいのだけど、ちょっとがっかり。
14:20になって続々とマシンがピットから出てくる。立川選手の走りはヘアピンで見たときに比べて安定しているように見える。メカニックの人たちがお昼の間に一生懸命調整した成果だろう。後半に入り一時は3位にまで順位を上げた。他に調子の良さそうなドライバーは、本山選手、脇阪選手、土屋選手、野田選手、荒選手、松田選手あたりか。1回目の予選、立川選手は6位で終えることになった。
順位が分かる場所がグラスタしか無いので、2回目の予選はグラスタで観戦。16時過ぎると雲も出てきてかなり寒い。中盤まで1回目のタイムを上回るドライバーは出てこない。立川選手のマシンはピットに戻ると念入りにリアウィングや足回りのチェックを行っているようだ。徐々にタイムがあがっていき、そろそろ各マシンともニュータイヤでコースイン、1回目のタイムを更新していく。残り15分という頃に、脇阪選手が1′45″186というタイムを出してトップに。立川選手も負けていられない。トップとまでは行かなかったが1′45″899で3位につける。
そしてタイヤ交換を行い最後のアタックへ。上位を狙っていた本山選手のギアが壊れ、タイムを出せずにアタック不可能になってしまった。立川選手にトラブルが発生しないことを祈りつつアタックを見守る。そしてタイムは1′45″394!服部選手がコースレコードでトップに立ち、終了間際に松田選手が3番手のタイムを出したので、最終的に立川選手は4番グリッドからの走行ということになった。
予選日の記者会見には呼ばれなかったが、朝からの走りを考えると、2列目からのスタートが決まったのは本当にうれしい。決勝日は朝から雨という予報だけど、新車はウェットのデータが無いからなんとしても晴れて欲しい!!
朝から雨。けっこう本降り。今日は遠出せずに屋根のある1コーナーのスタンドで観戦することに。今年から2コーナーにビジョンが設置されたので、グラスタ以外でもピットの様子や順位の変動を見ることができるようになった。もう少し文字が大きく出ると、もっとうれしいのだけれど・・・。
さて、雨初体験の新車、またセッティングのやり直しである。長年乗り慣れたマシンでさえまともに走ることができない程の大雨になっている。改修されたS字は川ができやすくなったらしく、スピンするマシンが続出している。決勝だったらセーフティーカー先導のレースになっていたに違いない。セッティングが決まれば無理をして走ることもないので、誰が決勝で速いのかは予測がつかないフリー走行であった。決勝では少しでも雨がやんでくれることを祈るばかり。
鈴鹿には、注目すべきドライバーがもう一人いた。立川選手と同じSuper Nova、立川選手と同じヘルメット。そう、横溝直輝選手である。予選でポールポジションを獲得した横溝選手。スタートこそ平中選手に抜かれてしまうが、自力でトップの座を奪い返すと、雨の中を独走。後方から追い上げを見せたベテランの城内選手を振りきり、見事開幕戦を優勝で飾った。モータースポーツ界ではもう20歳は若手ではない時代である。世界に羽ばたく走りを見せてもらいたい。
お昼過ぎから雨も弱まり、このままの天気ならコースの水たまりも消えていきそう。各チームとも、タイヤを深溝にするか浅溝にするかぎりぎりまで悩んでいる様子。結局最後尾からのスタートとなってしまった五十嵐選手が浅溝で賭に出た以外は、全員深溝で走ることになった。フォーメーションラップが始まると雨足が再び強まってきた。そしてスタート!立川選手出遅れたか?!いや、クルム選手のスタートがどんぴしゃだったようだ。トップの服部選手の後ろまで突進してきた。松田選手がスタートを失敗したので立川選手は4位のまま。この雨でちゃんとスタートできたのだから、まずは良しとしよう。
などと安心していたのもつかの間、順位がどんどん落ちていく。この遅さは雨のせいだけじゃない。すぐにピットに入ると、どうやらカウルを開けてメカニックが中の様子を見ているようだ。わずか2周で無念のリタイアか?!立川選手がコースに戻った時は、すでに2周遅れ。表彰台が遠ざかっていく・・・。しかし、再びコースに出てきたのだから、勝負をあきらめたわけでは無いと言うことだ。立川選手が走る限り精一杯応援しなければ!!
立川選手が抜けてしまった優勝争いは、図らずも面白い展開に。立川選手と同じく新車で走っていた本山選手も、同じようなトラブルが発生してリタイアしてしまう。5ZIGENの1-2フィニッシュかと思った瞬間、クルム選手が突然マシンを降りてしまう。そして気がつけば、服部選手の背後には脇阪選手が迫っていた。優勝するためにルマンメンテをチームに承諾させ、今年は何としても結果を出そうという意気込みの脇阪選手。残り5周で服部選手のミラーには脇阪選手のマシンが見えるようになった。
服部選手は必死にペースを上げようとするが、脇阪選手の勢いは止まらない。ファイナルラップで昨年の高木選手のようなオーバーテイクがあるのか?!2台の距離はほとんど無いままヘアピンにさしかかる。一瞬脇阪選手のマシンのテールがぐらついた!痛恨のミスである。なんとも脇阪選手らしい「やってもうた」なミス。そのまま服部選手がチェッカーを受け、チーム5ZIGENに初優勝をもたらした。そして3位には、ルーキーの荒選手。立川選手が昨年あれほど苦労しても手に入れることのできなかったコスモオイルの表彰台。終始落ち着いた走りで結果を出してしまう、恐ろしい新人が現れたようだ。
立川選手は完走することがやっとの13位。新車特有のトラブルだったのか。それとも原因は他にあるのか。厳しいシーズンの幕開けになってしまった。新しい体制で新車と優秀なエンジニアを用意してもらい、今年こそは結果を残さなければならなくなった。KONDOレーシングに初優勝をもたらすために、がんばれ立川選手!!
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