
Formula-Nippon 合同テスト菅生 トークショー
テント下のイベント会場には、時間前からたくさんの人が集まっている。はじめに菅生サーキットのRQ2名の紹介。そしていよいよトークショーの始まり・・・。

- 司会:
- トークショーの進行をしていただきます、モータースポーツジャーナリストでいらっしゃいます、永田康和さんです。皆さん、盛大な拍手でお迎えください。(永田さん登場)
- 永田:
- よろしくお願いします。
- 司会:
- よろしくお願いいたします。今日は皆さん聞きたいことがたくさんあるかと思いますので、いろいろとひき出してください。
- 永田:
- レースの話しないといけないの?いや、何の話しようかと思って、後ろでわいわいわいわい騒いでたんですけど。
- 司会:
- ちょっと短い時間なんですけど、濃い話をぜひ聞かせてください。よろしくお願いします。それではですね、さっそく本日のゲスト、ドライバーの方をご紹介していきたいと思います。盛大な拍手で、そのあとのトークショーの面白さに関わってきますのでね、皆さんがどういうふうに向かえてくださるかで内容も濃くなるかと・・・
- 永田:
- あんまり濃くないけど、俺たちの話(笑)。
- 司会:
- そうなんですか?じゃあ、楽しい話をぜひお願いします。それではさっそくお呼びしたいと思います。コスモオイルレーシングチームセルモの荒聖治選手です。よろしくお願いしま〜す。(荒選手登場)そしてOlympicKONDOレーシングチームの立川祐路選手です。(立川選手登場)よろしくお願いします。オートバックスレーシングチームアグリの土屋武士選手です。(土屋選手登場)よろしくお願いします。そしてもうひとかた、チームルマンの五十嵐勇大選手です。よろしくお願いしま〜す。(五十嵐選手登場)それではこの後は(永田さん)よろしくお願いします。
- 永田:
- 今日も一回目の走行が終わったばかりなんですけども、土屋選手、1位で終えたでしょ。
- 土屋:
- そうですね。
- 永田:
- どのセッションでも頭に来ると気持ちいいと思うんですけど、今日はだいたい自分のプログラム通りですか?
- 土屋:
- あの〜、びっくりするほど順調に。昨日から。
- 永田:
- ねぇ。相棒の方がちょっとおかしいなって気がしないではないですけどもね。
- 土屋:
- ぇえ?・・・そうでもないですよ。
- 永田:
- 人のことよりも自分のことですよね。
- 土屋:
- 大丈夫です。そうですよね。
- 永田:
- 五十嵐さんは、地元みたいなもんじゃないですか。
- 五十嵐:
- はい。
- 永田:
- 聞くところによると、(RQの)どっちかの子が店にいたっていうの知ってました?
- 五十嵐:
- そうなんですか?
- 永田:
- 知らないの?若旦那としては。実家実家。(RQの一人が手を挙げる)彼女?ですよね。
- RQ:
- 一度お会いしたことがあるんですけど・・・。
- 永田:
- 知らないですか?ほんとに。どのくらい勤めてたの?(指で「2」と出す)2年も勤めていて分からないの?
- 五十嵐:
- いや、声かけてくれないから。
- 永田:
- ほぉ・・・なるほどね。
- 五十嵐:
- (RQに)じゃあ、後でね。

- 永田:
- ということなんですけども。地元って言うのは、何かこう走っていて、感じるものはあるんですか?
- 五十嵐:
- カートコースは昔走ってたんですけど、でっかい方のサーキットは去年初めてだったんで、地元といっても・・・。
- 永田:
- あとでまた、サクランボのおいしい食べ方を教えてもらいましょう。立川選手、スタートとしてはまずまずという感じでしたけど、次はまたトラブルがあったりとかあったんですけど。今回はどうですか、このテストは?
- 立川:
- 今のところ順調ですよ。
- 永田:
- 金石選手もかなり、4位に入ったりとか、だんだんチームの二人とも昇り調子なんですけど。
- 立川:
- そうですね。だいぶチーム変わってきてるんで。開幕前は二人ともテスト不足だったから、そういった意味では、車も二人とも良くなってきて。
- 永田:
- 今回のこのテストっていうのは、何を一番のポイントに置いてやってるんです?
- 立川:
- 次のレースが菅生ってことで、それに合わせたテストがメインですけど。それに夏になって温度とか上がってくるんで、それに合わせてのテストですね。
- 永田:
- 荒選手、昨日今日と非常に涼しくて・・・。
- 荒:
- え?これ涼しい?
- 永田:
- 僕は。3日4日前は猛烈な暑さを体験していたんで、意外と涼しくて。7月の終わりくらいだったらもっともっと・・・
- 立川:
- 涼しい涼しい!マレーシアに比べたら(笑)。
- 永田:
- ね。
- 立川:
- マレーシアに比べたら全然涼しいよ。運ばれた人が言うんだから。
- 永田:
- でも、テストにしてはちょっと涼しすぎるってのは感じないですか?もっと暑くて同じような条件のがいいなって気がするんですけど。
- 荒:
- まあ、レース考えたらその方が良いんですけど、長く走ってることを考えると、涼しい方が楽。
- 永田:
- まあ、楽は楽ですよね。昨日、ちょっと壁にキスしたんですけど、あれは何があったんですか?
- 荒:
- ぇぇ〜?なんかありましたっけ?(苦笑)
- 永田:
- チュ〜っていうのがありましたけどね。
- 荒:
- ・・・はい。壊しちゃいました。
- 立川:
- 多分ね、早く終わらせて帰る支度してたんですよ。
- 永田:
- ああ、国分町が待ってるぞって(笑)。
- 立川:
- 早かったもん。帰るの。
- 永田:
- そうなんですか?
- 立川:
- 遊びに行ったらもういなかったです。
- 永田:
- なるほどね。そう言う作戦もあるんですね。社長には黙ってますから大丈夫ですよ。
- 荒:
- 社長と一緒に帰ったんです。
- 永田:
- なんだ。そうなんだ。でも、良いテストができたっていう話がありましたけど、五十嵐選手は、今月末のレースに向けて手応えみたいなものはあるんですか?この後もう一回セッションがありますけど、何か確かめることってあるんですか?
- 五十嵐:
- まあ、いつもと同じで、フルタンクでセッティングして、新しいタイヤで予選の練習とか・・・。
- 永田:
- チームメイトが、なんかヨーロッパで仕事やっているらしいですけど。
- 五十嵐:
- はい、広々と。のんびりと。
- 永田:
- (笑)おおらかで良いんですけど。このあとのテストは何をやるんですか?おいしいところは見つかりました?外部にはなかなか言えませんけれども。
- 五十嵐:
- まだ全然。
- 永田:
- まだ?これといったのは。
- 五十嵐:
- そうですね。
- 永田:
- 土屋選手は連続表彰台で、この前記者会見の時には3位になって一番近いところを狙っていったって、たまたまお話がありましたけれど、いい結果じゃなかったですか。連続表彰台って言うのは。でもやっぱりここは、もう一つ、もう二つくらい上を狙ってるわけでしょ?
- 土屋:
- そうですね。いつもがんばって狙いたいっていう気持ちはあるんですけど、ここ初めてなんで、Fポンで走るの。
- 永田:
- あ、そうなの。
- 土屋:
- ええ。本当は二巡目のサーキットを狙ってがんばろうかな、と思ったんですけど、あまりにも車が調子良いんで・・・。まあでも結果を意識しないで、とりあえずここは失敗しても良いから、もうちょいレベル上げて走りたい。
- 永田:
- 車を作るときのポイントになるところはどこなんです?コーナーで言えば。
- 土屋:
- 最終コーナーがすごいスピードが乗って、ストレートの手前のコーナーなんで、そこを速くしないと抜かれちゃうんでね。逆にそこが速ければ抜けるんで、このサーキットは。
- 永田:
- なるほどね。強烈な登り、あそこにうまく車を合わせていけば良いわけですね。今日は、今のところはうまくいっているわけですね。
- 土屋:
- 今のところ。ちょっとぼこぼこするところがあるでしょ。バンクっていうところ。車がポンポンってはねちゃって。
- 永田:
- 上で見てると分かりますよね。
- 土屋:
- で、車が振られちゃうんですよね。そこをうま〜く乗れるように、もうちょっと見つければ、もうちょい速くなるかな。
- 永田:
- 午後はそこを探してみようと。
- 土屋:
- でも午後は満タンでロングなんで。本番用で。
- 永田:
- 立川選手は午後は何するんですか。
- 立川:
- 午後ですか?午後はいろいろ。またセットアップの続きを。
- 永田:
- 人には言えないでしょうけれども。フルタンクでは?
- 立川:
- 今、どうするかはまだ分からないですけれど。午前中終わってすぐ呼び出されたんで。
- 永田:
- すいませんね。ほんと。
- 立川:
- なのでまだ考えてないんですけど。でもいろいろ、昨日も今日も普段のレースウィークではテストできないことをいろいろやっているんで、その続きでいろいろやっていきたいです。
- 永田:
- 昨日10秒台が出たじゃないですか。予選用に近いセッティングで。今度のレースの時って言うのは、予選の日はどれくらいを狙っているんですか?タイム的には。まあいろんな自然の条件でずいぶん違ってくると思うんですけれど。雨とか何とかで変わると思うんですけど。
- 五十嵐:
- 去年は10秒台ですから、それぐらいは。
- 永田:
- 10秒台前半くらいは行かないと、っていうのが一つの目標ですか?
- 立川:
- そうですね。コンディションによって分かんないですけど。
- 荒:
- 荒選手は、タイム的には。まずはどの辺りを狙って行くんですか?自然の状態によって難しいですけどね。
- 荒:
- そうですね。今までがちょっと、前回の鈴鹿なんかは、トップと1秒くらい差が出ちゃって辛かったんで、なるべく近いところで、5番手以内くらいは狙って。
- 永田:
- そうするとレースは飛び出しで抜いて・・・。
- 荒:
- あんまり、こう差が
- 永田:
- 5番手っていうと、どのくらいまでタイムを縮めていけばいいわけ?
- 荒:
- 今日はまあ走っても、昨日ほどは出なきゃいけないですね。昨日はちょっといらんことして、僕は走れなかったんで、一概に比較っていうのはできないですけれど。
- 永田:
- 難しいけれども。でもこのあと楽しくやっていけば、テストとはいえ、どういうアタックをするかというのは。
- 荒:
- うーん、そうですね。
- 永田:
- テストの時って、細部は見せたくないものなの?ライバル達に見せたくないもの?走りの中で車を作っていく段階って。
- 荒:
- スピンは見せたくない(笑)。
- 永田:
- スピンはね。ちょっと恥ずかしいな、って。
- 荒:
- 僕の場合もう見られちゃってるんで。
- 永田:
- 今日はとにかく良い走りをして、良い答えを出してください。本番に備えて。じゃあ、最後に目標を聞いてお別れしましょうか。決勝、ここを見てくれっていうのを、ここまで攻めてやろうっていうのをね。いかがでしょうか。
- 五十嵐:
- 本番で、予選終わったときに、決勝の取り組み方が変わるんで。
- 永田:
- 予選で、前行って。
- 五十嵐:
- それは当然ですけど。決勝は抜いて、抜いて。
- 永田:
- 一番前に行くと抜かなくても良いよ。
- 五十嵐:
- まあ、ね、うん。
- 永田:
- それもありだと。ちょっとやってみたら。
- 五十嵐:
- やってみよう。
- 永田:
- 土屋選手って言うのは、当然連続表彰台がかかってますから。
- 土屋:
- はい。予選2位と3位で、で一番を狙いたい。
- 永田:
- 気持ちいいでしょうね。ポールポジションっていうのはね。
- 土屋:
- とりあえず、そうですね。それに集中して。レースのほうは絶対何か起きるんで。運もあるし。レースは思いっきり行って、あとはもう結果は考えても意味がないんで。できれば表彰台に乗れれば。転ばないように。
- 永田:
- もう大丈夫なの?手は。
- 土屋:
- 大丈夫です。
- 永田:
- ちょっと心配しましたけれど。立川選手は。
- 立川:
- そうですね。優勝を早くしたいですよね。監督を表彰台に乗っけないといけないんで。そういう任務があるので、乗っけられるのは優勝だけなんで。で、表彰台で一曲歌ってもらって。(場内爆笑)
- 永田:
- あ、そういうお約束があるの?
- 立川:
- 曲流してください。
- 永田:
- いいよ。じゃあ考えておくよ。表彰台でね、チューブやめるわ。(爆笑)OKOK。決めた!じゃあ、荒選手。
- 荒:
- やっぱり開幕戦表彰台に乗ってるんで、もう一回乗りたいですね。もう一回って言うか、また。
- 永田:
- 遠慮しないでもうちょっと高いところに。
- 荒:
- できれば一番高いところに乗るのが一番嬉しいんですけど。
- 永田:
- 目立つし。
- 荒:
- そうですね。
- 永田:
- 皆さんが一生懸命応援してくださるので、いい結果に繋がると思います。あっという間の15分でしたけど、本当はもっともっと聞きたかったんですけど、トークショーはこれでいったんお開きとさせていただきます。どうもありがとうございました。(ドライバー退場)

トヨタ3人衆で集まると、一番楽しそうに話すのが立川選手。特に荒選手のボケと立川選手の突っ込みは、絶妙です。
前半、土屋選手や五十嵐選手が話しているときに、立川選手と荒選手でコソコソと内緒話。立川選手はその間中、しきりにベルトをいじっていたのですが、ウエストの細さでも自慢していたのでしょうか?そして荒選手がしゃべっているときには、土屋選手と「荒選手のマイクの持ち方」について研究していたようです。自分の番で無いときにはマイクの付け根が気になっていたようで、思わず「ポン」と引っこ抜いてしまいました。
菅生のテントは屋根の下に小鳥が巣を作っていて、トークショーの間中、ピヨピヨとさえずっていました。また、上から危険なものが落下してくるので、レース日に利用される方は気をつけてくださいね。