レースレポート
Formula-Nippon 第3戦 美祢

[その1(かもさん)][その2(いでっち)]

その1

予選日

やっと予選日を観戦することができる。と思いながら、朝イチの飛行機に乗り、美祢を目指す。
移動中「立川選手、フリー走行でクラッシュ」との情報入手。

不安になりつつも現地入りし、パドックに行くと立川選手は首を冷やしている。足も引きずっているようだ....
マシンは大破。(モノコックはセーフ?)

2ヘアピンでアクセルが戻らずにまっすぐ突っ込んだらしい。パドックから2ヘアピンを見ると、確かにまっすぐタイヤバリアに向かうタイヤ跡が....

とにかく怪我が心配ではある。とりあえず、歩き回ってるので大丈夫だとは思うが、あまり無理されても後々引きずるのも怖い。
マシンのパーツはルマンから借りてきた(買った?)ようだ。未塗装のパーツがセルモに運び込まれ、メカニックは必死にマシンを作る。

予選

マシンの修復は間に合わず、出走せず。
マシンを夜のうちに直し、嘆願書でレースは出場すると言う事らしい。

グリッドはトラ、野田、寿一....と並ぶ。
トラブルがなければ、少なくても2列目に立川選手は居るはずなのだが....

立川選手は病院にいって、CTスキャンをしてきたらしい。

決勝日

1コーナースタンドで観戦。

朝フリー走行

完成したマシン(メカニックの努力の賜物)で、立川選手はコースに出て行く。
インストレーションチェック、そして3周ほどの周回を何周か行う。
タイムはこのセッションで 7番手(?)
ガソリンの量がわからないし、おそらくニュータイヤだし、周りとの比較はあまり意味がないことではあるが、タイムを見てもマシンと立川選手に大きな影響は見うけられない。レース終盤までもつかということ以外は。

ピットヲーク

やっぱ、出てこなかった。ちらりとみた首に巻いたシップ(?)が痛々しい。

決勝

グリッドは一番最後。作戦もなにもあったものではない。抜いて、抜いて、抜くしかないのである。

フォーメーションに出て行く事が出来なかったマシンが 2台....本山が後になった。
立川選手、スタート前に2台オーバーテイク。(笑)

整列完了....と、ここでエンジンストールで赤旗。
レースがリセットされ(たはずなのだが、なぜかフォーメーションに出られなかった2台はグリッドに戻らず)、再フォーメーションラップ。ここでまたしても出られないマシンが....荒れる美祢。その表情が少しずつ見え隠れしていた。

グリッド整列完了。スタートが切られた。
立川選手のポジションは???と後方に目を移す....!
既に 5台(?)のマシンを抜いて、中段で1コーナーに入っていく。良いスタートであったようだ。ビデオを見ると、本山よりも出足が良い。

2コーナーへ侵入していく各マシン。
野田がトラに押し出される(接触はない模様)、そのためか後方混乱。道上がスピンオフして、グラベルにストップ。
そして、その後方....ユーンが飛んできて(まさしく飛んできて)、本山を押し出し、押された本山が近藤選手を押し出し、立川選手のテールをふっ飛ばして行く。
コーナーリング中に後を押された立川選手はそのまま、3コーナーの内側にスピン状態でストップ。リアウィングを失った。

赤旗が出されるかと思ったが、そのままレース続行。立川選手は 0周でリタイヤと言う事になった。

レース自体は序盤から逃げたトラにトラブル発生。そしてリタイヤしたために、2位につけていたルーキー松田選手が優勝する事になった。おめでとう(^^)
クルムは、トラがいなくてもやっぱり2位。(笑えない)

ま、こんなレースもあるか。そう思うことにした。
#美祢まで見に行ったが、立川選手の走っているラップはわずか 10周程度しか見ていない。(笑)

それにしても、ユーンの動きは....近藤選手も怒っていたが確かにちょっと問題かもしれない。
確かに大混戦の場所で、行き場がなくなってダートに出てしまい、ブレーキングがまともに出来ていなかったとは思う。しかし、あのスピード....コース上でも止まれたのかどうかは疑問だ。

さて、得意と言われている美祢。実はここ数戦完走できていない。テストでのトップタイムなどが非常に印象に残っているし、おそらく本人も美祢は得意だと自信を持っているだろう。しかし、結果はそうではない。
レースの難しさを痛感するとともに、それを跳ね飛ばすだけの「なにか」が欲しいと思うのである。

その2

5月20日(土)

フリー走行

朝早く羽田を出発し、9:00に山口宇部空港に到着。フリー走行の始まる時間である。空港から車に乗り込んだとたん、先に入っていた友達からメールが届く。「立川選手クラッシュ」・・・。出鼻をくじかれたような思いでサーキットに到着。いろいろな場所からクラッシュの時の様子を聞き込み、立川選手の様子を見に行くと、首に湿布を貼り、足を引きずって歩く姿が痛々しい。
クラッシュしたというパドックの裏側の第2ヘアピンを見てみると、タイヤバリアが激しく傷ついている。そしてピット裏には立川選手のマシンの残骸が山積みにされていた。アクセルが戻らなくなり、100km/hでタイヤバリアに突っ込んだらしい。ドライバーにもマシンにも想像以上のダメージがあったようだ。唯一立川選手が痛みをこらえながらも笑顔でいるのが救いであった。

予選

立川選手のマシンのあるガレージはシャッターが閉められ、メカニックの方達が必死に修理をしているようだ。足りないパーツはチームマレーシアの人たちが運んできていた。他のチームからも借りたパーツがあるのかもしれない。
1回目の予選には出られそうもない。というか、パドックの中をいくら覗いても、立川選手の姿が見あたらないのである。怪我がひどくて予選を諦め病院に行ったのか?それともホテルに戻ってしまったのか?
1回目の予選結果は高木選手が1'14.801でダントツのトップ。以下、脇阪寿、野田、クルム、ファーマン、服部。

2回目予選が始まる直前、立川選手がレンタカーの助手席に乗って戻ってきた。大量の湿布と飲み薬を手にしている。「大丈夫ですか?」と聞くと笑顔で応えてくれた。しかし結局2回目の予選にもマシンは間に合わなかった。
総合の予選結果は、余裕のタイヤ温存作戦に出た高木選手がPPをゲット。セカンドローは野田選手。以下、脇阪寿、クルム、道上、ファーマン、本山、服部、山西、金石、ユーン、五十嵐、ヤレック、近藤、柴原、OSAMU、玉中、脇阪薫。立川選手の名前は・・・無い。

5月21日(日)

フリー走行

サーキットに到着し、セルモのガレージを覗くと、マシンはマシンの形になっていた。一安心。8:30にフリー走行が開始。立川選手もマシンに乗り込み、開始2分後にコースイン。ゆっくりと、感触を確かめるように1周だけ走ってピットに戻ってきた。特にセッティングを大きく直すようなことはしていないが、ヤレックのタイヤ交換の練習があるためすぐにコースに戻ることはできなかった。
2回目のコースインでは徐々にタイムを出していく。そして3周目のアタックで1'16.553で4位のタイムを出した!!メカニックの徹夜の修理に感謝!!
終了間際に再度コースイン。3周走ったがベストタイム更新ならず。しかし7位のタイムでフリー走行を終えることができた。もしかしたら奇跡は起こるのか?!

決勝

決勝前のオープニングセレモニーでは全選手がS2000に乗ってコースを一周するというイベントがあった。立川選手も観客席に手を振っているが、首を横に曲げることができず、苦しそうであった。

14:30、フォーメーションラップ開始。本山選手と五十嵐選手がエンジンストール。最後尾だった立川選手の更に後ろに着くことになった。そしていよいよスタート!!と思いきやヤレックがストールしたため赤旗。ヤレックも立川選手の後ろになった。
14:35、1周減算で再びフォーメーションラップ開始。今度はユーン選手がストール。立川選手は何もせずに4台抜くことができたようだ。これは何か良いことが起こる前兆か?!とレース開始に期待が高まる。

全車グリッドに着き、グリーンフラッグ・・・そしてスタート!!立川選手は後方からロケットスタートで中盤まで躍り出る。どうやら11位前後まで浮上したようだ。1コーナーを抜けバックストレートを駆け抜ける。2コーナーを曲がった辺りで砂煙が!!何がなんだかわからない。目の錯覚であって欲しい。しかし、2コーナーのイン側でスピンしているマシンは・・・間違いなく立川選手のようである。立川選手は急いでマシンを降り、コースの外に出た。
2コーナーのアウト側には道上選手、本山選手、近藤選手のマシンが見える。そしてタイヤバリアにはチームマレーシア!!4戦連続でどこかにぶつけるとは・・・。しかも今回は3台も巻き添えにして・・・。家に帰ってからビデオで確認したところ、ダートから思いっきり2コーナーに突っ込んでいて、「そんなの、止まれるわけないだろ!!」と突っ込み入れてしまいました(--;;。

中盤でレースを盛り上げるはずのドライバーが序盤で大量にいなくなってしまったため、退屈な60周のレースを見ることになってしまった。高木選手は圧倒的な速さで首位をキープしていたが、44周目にエンジンから白煙を上げ次の周でピットイン。その瞬間首位に立ったのは松田選手。快調なペースで後方のクルム選手を引き離し、見事な初優勝!!2位はクルム選手。優勝は近いようで遠い・・・。そして3位は野田選手であった。

それにしても、本人も周囲も「得意だ」と言っている美祢でなかなか結果が出ない。本当に残念である。菅生のGT、富士のFNと毎週レースが続くが、体調さえ戻ればすばらしい走りを見せてくれるに違いない。


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