[その1(いでっち)]
熊本空港からレンタカーを借りてサーキットへ。9:20頃オートポリスに到着。ロイヤルルームの裏に車を止めて外へ出ると、寒い!!全国的に冷え込むとは聞いていたけど、ここまで寒いとは。お日様が出ているのがせめてもの救い。急いでロイヤルルームに入ると、まもなく午前中の走行が開始された。
今回も最初に走ったのは立川選手。この寒さではまだタイヤも温まらないが、2周目のアタックは6位のタイム。開始後6分にARTAゼクセルスカイラインが第一ヘアピンでストップしたため、赤旗が出て5分ほど中断された。9:50に再びコースオープンになるが、マッシモはフロント周りを念入りに確認。タイヤも外しているようだ。
立川選手は9:56に再びコースに戻った。上位のチームは1分47秒台で走っているが、立川選手のタイムは1分48秒9。3周アタックしてまたピットに戻り、タイヤを外してセッティングを変更している。トップはTAKATA童夢NSXで1分45秒118。2番手にMobil 1 NSXが1分46秒885を出している。
立川選手は10:12分に再びコースイン。そんなにマシンの挙動がおかしいようには見えないが、タイムが出ないのはまだコースに慣れていないせいだろうか。いったんピットに入ってまた出直し。TAKATA童夢NSXとMobil 1 NSXは1分44秒台に突入した。10:30頃にTAKATA童夢NSXとオークラRX7がコース上でストップしたため一時黄旗が出された。
立川選手のタイムは1分47秒6から1分45秒987に。4位まで上昇!!ここで竹内選手とドライバー交代である。この時点でのトップはMobil 1 NSX。2番手にTAKATA童夢NSX。3番手はRAYBRIG NSXと上位3チームがNSX勢である。その後ろにマッシモスープラがいるが、5位はペンズオイル・ニスモGTR、6位がARTAゼクセルスカイラインと、スープラ勢の調子があまり良くないようだ。
立川選手は竹内選手が走っている間もピットロードに控えており、竹内選手がピットに入って来るたびに熱心に話をしている。マッシモスープラは後ろのガラス部分を外したり、ボンネットを開けたり、タイヤも外したりして、大がかりな作業になっている。一度立川選手が良いタイムを出しているだけに、なにか大きなトラブルで無ければいいが・・・。
竹内選手のタイムは1分47秒台止まり。11時20分にピットインすると、タイヤを交換して立川選手がマシンに乗り込んだ。ニュータイヤでのアタックも上位に食い込むことはできない。プラクティスを2分残してピットに入ってしまった。
終了時のトップ6は、TAKATA童夢NSX、Mobil 1 NSX、RAYBRIG NSX、ESSO Tiger Supra、ペンズオイル・ニスモGTR、Castrol無限NSX。
土曜日にも関わらず、ピットウォークは盛り上がっている。「寒い、寒い」を連発しながらもドライバー自らがスポンサーのステッカーを配っていたり、ガレージの外をうろうろしていたり、初めてサーキットに来たような地元の人たちにも気軽にサインに応じていた。プログラムの違うドライバーの写真のところを開いて待っているおばちゃんには某選手も苦笑していたが・・・。
有名なドライバーはカートデモランなどに参加していて、注目を集めていた。ワインガードナー選手のバイクでのデモランも見応えあり。お目当ての立川選手は登場しなかったのが残念。
午後のドライバーズトークショーは、高橋国光選手、山田洋二選手、土屋圭一選手という豪華メンバー。一言一言が重みのある国さん、まだコースを覚えていないという山田選手、突っ込みが絶好調の土屋選手。3人が好き勝手にしゃべったりグッズをお客さんに向けて投げ込んだりしているので、収拾のつかなくなる場面もあったが、とても盛り上がっていた。
予選は寒いのをこらえて、最終コーナーのスタンドに移動。きれいな座席で、見晴らしもよい。14:45にコースオープン。最初は500クラスと300クラスの混走である。最初に立川選手がアタック。2周目で1分44秒403で4位に。ESSO Tiger Supraがトップだったが、Castrol無限NSXが1分43秒963を叩きだしてトップになる。3位にRAYBRIG NSX、4位にマッシモスープラ。5位はペンズオイル・ニスモGTR、6位にcdma Oneセルモスープラが入っている。
開始後18分にピットインし、竹内選手にドライバー交代。しかし14:40に赤旗が出され、予選が中断されたので、その間に第2ヘアピンへ向かってコースを逆回りに移動。複雑な高速コーナーを曲がりながら坂を上っていく形で、この辺でマシンの仕上がりを確認することができる。
ジェットコースターストレートに到着すると、やっとレースが再開されるが、GT300クラスの走行に。300クラスの参加チームが少ないので、ちょっと盛り上がりに欠ける。500クラスがジェットコースターストレート一気に下ってくる迫力を見たかったのだが、寒さに耐えられず、ロイヤルルームに戻ることにする。
ロイヤルルームに戻ったところで500クラスの予選が開始。どうやら気温は2度らしい。コースの一部では雪もちらついているという噂の中、各マシンアタックを行う。
立川選手は2周走ってアタックは行わずにピットに入り、タイヤ交換を行ってアタック開始。しかし前半のタイムを越えることができない。TAKATA童夢NSXが2位に上昇。すると残り10分のところでMobil 1 NSXが1分43秒235でトップに立つ。その直後にTAKATA童夢NSXも1分43秒592で3位に入り、上位3台が43秒台を出して予選が終了。マッシモスープラはESSOTiger SupraとRAYBRIG NSXの後ろの6位で決勝を迎えることとなった。
9:00にコースオープン。各マシンピットロードに並んで開始と同時にスタートするが、マッシモスープラはまだガレージの中。少し遅れてスタートした。最初に走ったのは竹内選手。500クラスの上位陣は2分6秒台で走って車を慣らしていたが、ペンズオイル・ニスモGTRが1分58秒365でトップタイムを出した。がすぐにRAYBRIG NSXがトップを奪う。竹内選手は5位のタイムを出すものの、2分を切れないまま立川選手に交代。
立川選手の1周目は1分58秒940、3周目は1分58秒597と順調にタイムを更新している。しかし上位12台が2分以内に入っており、上位5台が1分56秒台を出すなど順位が激しく入れ替わっている。
立川選手は少し早めにピットイン。竹内選手が再びマシンに乗り込むとドライバー交代の練習を始めたので、今日の走行は終わりのようだ。今日の決勝は竹内選手が先に走るらしい。最終的にトップタイムを出したのは、TAKATA童夢NSX。で1分55秒470。ESSO Tiger Supraも1分55秒627を出している。マッシモスープラは立川選手が出した1分58秒597が5位に入った。
スタート進行は13:00から。スタートを1コーナーで見ようと思い移動する。コース上はまだウェット状態。どのチームもタイヤ選択がレースに大きな影響を及ぼすことが想像される。マッシモスープラは浅溝タイヤという放送があった。他のチームもほとんど浅溝であるが、カルソニックスカイラインとESSO Tiger Supraがスリックを選択するという賭けにでた。RAYBRIG NSXは高橋国光選手が最初に走るようだ。
13:30、2周のセーフティーカー先導による走行の後ローリングスタート。TAKATA童夢NSXが出遅れたため、マッシモスープラは1周目、4位で戻ってきた。スリックタイヤ選択は大失敗だったようで、300クラスよりも遅いタイムで走らざるを得ない状態。3周目、竹内選手は早くも苦戦を強いられる。1コーナーでペンズオイル・ニスモGTRにあっさり抜かれると、後続のマシンにも追いつかれ、あっという間に9位まで順位を落としてしまう。全くスピードが出ないところを見ると、タイヤが合っていないのかもしれない。
7周目、スリックタイヤを選択したカルソニックスカイラインが早くも周回遅れにされてしまう。やむなく予定外のピットインでタイヤを交換。ESSO Tiger Supraも10周目にコースアウトしたのをきっかけにピットインしタイヤを交換する。
竹内選手は2分台のタイムしか出せず、11位に下がってしまう。霧が濃くなってきたり、みぞれが降ってきたりという悪天候の中、必死に走る選手たち・・・。20周目、竹内選手がピットイン。早くも立川選手に交代する。タイヤを早く替えたかったようだ。特に問題もなくコースに出ることができた。
24周目TAKATA童夢NSXがジェットコースターストレートでコースアウト。25周目には片山選手のカストロールトムススープラが最終コーナーでスピンしてしまう。Mobil 1 NSXとCastrol無限NSXは激しいバトルを繰り広げている。そして、立川選手は猛烈な追い上げを見せ、あっという間にユニシアジェックススカイラインを追い抜いた。30周目にはcdma Oneセルモスープラを追い越し、どんどん順位を上げている。
ペンズオイル・ニスモGTRはマッシモスープラと同一周回でドライバー交代を行っている。高橋国光選手は25周目にピットインして飯田選手に交代。現役最後のレースを2位で引き継いだ。カルソニックスカイラインの星野選手も正美選手に交代。31周目にはトップのMobil 1 NSXも光貞選手からコロネル選手に交代した。一方代わってトップに立ったCastrol無限NSXの道上選手はまだピットインの気配を見せない。今のうちにできるだけ引き離して中子選手に引き継ぐ作戦のようだ。
なんとか高橋国光選手のラストランを最高の形で終わらせたいと必死に走る飯田選手は、調子の上がらないペンズオイル・ニスモGTRを33周目に抜いて順位を上げる。Castrol無限NSXは35周目にピットインするが、ドライバー交代になんと40秒近くかかってしまう。大きくタイムをロスし、Mobil 1 NSXに首位を明け渡してしまった。上位陣がドライバー交代を終え、トップはMobil 1 NSX、2位にCastrol無限NSX、3位にRAYBRIG NSX、以下、ペンズオイル・ニスモGTR、ARTAゼクセルスカイライン、カストロールトムススープラ(No.36)と続いている。
ペンズオイル・ニスモGTRとCastrol無限NSXはドライバー交代時のタイヤ選択を誤ったのか、スピードが全く出ていない。一方、立川選手は絶好調。1分56秒台をどんどん出してあっという間に7位まで順位を上げたのだ!!だが、6位を走っているマシンは遙か前方である。残り14周で追いつくことができるであろうか。
43周目、RAIBRIG NSXがCastrol無限NSXを抜こうとするが、中子選手も必死の抵抗を見せる。しかしマシンの調子は歴然としており、第2ヘアピンでインを突いて見事2位に。あとはコロネル選手に追いつけば表彰台の真ん中である。飯田選手はファステストを叩きだし、大張り切りで走っている。トップとの差もどんどん縮まっているようだ。3位に落ちてしまったCastrol無限NSXはその後ARTAゼクセルスカイラインとペンズオイル・ニスモGTRにも抜かれてしまった。
トップを快走するコロネル選手は飯田選手との差を気にしながらも余裕の走り。タイムの良い立川選手を前にいかせ、安全策でトップを守る作戦。立川選手は6位を走るカストロールトムススープラに追いついてきた!!もしや逆転なるか?!
Mobil 1 NSXはRAYBRIG NSXに15秒差をつけてチェッカー。Mobil 1 NSXの直前を走っていた立川選手にはあと1周のチャンスがある。しかしベテラン関谷選手は簡単には前に行かせてはくれなかった。結局マッシモスープラは7位でチェッカーを受けた。
11位から7位まで順位を上げた立川選手。個人的にはとても良い走りだったと思っている。竹内選手が悪いわけではないし、仕方のないことなのかもしれないが、スタート時の順位を前半保っていられれば、来年に向けてもっと面白い展開になっていたかもしれないと思うと悔やまれる。いつも何かがかみ合わず表彰台を逃してしまうことが多かった1年を象徴するレースだったような気がする。
でも初めて走るサーキット、しかも選手たちが面白い口をそろえて言っていたコース。きっとドライバーたちも楽しく走っていたに違いない。私たちもとても楽しくお祭り気分で2日間を過ごすことができました。来年はまたどのような顔ぶれになっているか分からないけれども、立川選手の一層の活躍を期待しています。
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