レースレポート
JGTC 第7戦 茂木

[その1(いでっち)]

その1

10月23日(土)

予選前

GTもとうとう最終戦。そして今回は国さんの引退レース。サーキットに入るとあちこちで「国光」と印刷された旗を配っていて、国さん一色である。パドックに入り、マッシモのパドックの裏で立川選手を待っていると、真っ赤なトレーナーを着た国さんがいつも通りの笑顔で自転車でぶらぶらしている。ファンのサインにも丁寧に応じていた。私も旗にサインをもらうことができて感激。

立川選手は竹内選手の車の助手席に乗って登場。赤地に黒いチェックの入ったシャツ。立川選手って黒系の服が多いけど、赤も似合うのね。

予選1回目

パドックからS字の内側に移動して予選を観戦。10:45コースオープン。今回のアタックドライバーは立川選手。最初の20分を走るが、マシンがふらつきコーナリングがきつそうである。トップはNo.36のカストロール・トムス・スープラで1分48秒374。立川選手の最高タイムは1分49秒689で9位。なんとか1秒以内に入って欲しかったが・・・。
今回調子が良いのはNo.16のカストロール無限NSXとNo.35マツモトキヨシ・トムススープラ。チャンピオンを争うNo.1のペンズオイル・ニスモGTRは5位につけている。

GT300クラスはNo.15のザナヴィARTAシルビアが1分57秒485でトップ。11:25に500クラスと300クラスの混走になると、竹内さんがマシンに乗り込む。3周ほど走り基準タイムをクリアすると再び立川選手に交代。
開始から54分、S字でNo.30の綜警マクラーレンGTRがスピンしてグラベルにはまる。黄旗が出されマシンを移動し、57分にコースに戻ることができた。
マッシモは徐々にマシンのキレも良くなり、問題なさそうだが、タイムをあげることはできず。全体的に序盤に出したタイムで順位が決まってしまった。トップから36、16、35、6、1、100、2、18、38、12。No.64のモービル1NSXは駆動系のトラブルでタイムを出すことができなかった。

予選2回目

15:00コースオープン。立川選手はピットレーンの7台目に並びスタート。No.64もどうやら無事に走れるようである。一気に2位のタイムを叩き出した。立川選手の1周目は6位。2周アタックしてピットに入り、タイヤ交換を行った。
トップはNo.36で1分49秒578。だが、1回目の予選とはうってかわって激しい順位の入れ替わりである。トップ争いをしているのはNo.36のほかにNo.16、No.6エッソタイガースープラ、No.2ARTAゼクセルスカイライン、No.64、No.30、No.39デンソーサードスープラGT、No.12カルソニックスカイラインなど。マッシモは1分49秒373で予選1回目のタイムを上回ったが、トップから1秒以内のタイムにも関わらず11位という厳しい状況である。

300クラスの走行が終わり、混走になると竹内選手がアタック。3周目に突然スロー走行になり、ピットではタイヤが用意される。50分にマシンが戻ってくるとボンネットを開け始め、竹内選手はマシンを降りてしまう。そのままマシンはガレージに入り、予選を7分残して早々と終了。抜けない茂木で11位からスタートという厳しい結果に終わってしまった。No.100のレイブリックNSXは9番手スタート。国さんには最後にすばらしい走りを見せて欲しい。

10月24日(日)

フリー走行

フリー走行はVコーナーで観戦。8:40コースオープン。最初に走ったのは竹内選手。ポンとタイムを出して欲しいものだが、No.38は電光掲示の真ん中あたりをうろうろしている。No.6が1分49秒705でトップ。No.16も予選日に引き続き調子が良いようだ。開始後17分、No.32cdmaOneセルモスープラが4コーナーでスロー走行。S字手前でストップしてしまった。
竹内選手は5周ほど走って立川選手に交代。5周走るが、上位に食い込むことができなかった。もちろんフリー走行なので、オイルの量も走る目的もチームごとに異なるので、一概に調子の善し悪しを決めることはできないのだが、決勝はスタートダッシュで上位に進出しないとポイントを獲得することが難しそうだ。

決勝

決勝はダウンヒルストレートのスタンドから観戦。13:20にウォームアップランがスタート。今回は竹内選手が最初に走るようだ。
予定通り14:00に決勝がスタート。1コーナーを過ぎたところではNo.38の順位は変わらず。しかし攻めの走りをする竹内選手は90度コーナーでNo.100にしかける。が、うまく押さえられ順位を上げることができない。その後何度もインを狙おうとするのだが、飯田選手もうまくラインを消しているので抜くことができずに周回を重ねていく。うーん、もどかしい!!

5周目にVコーナーでNo.1がNo.39を抜こうとしてぶつかりNo.39は押し出されてしまう。おかげでマッシモは10位に上昇。レイブリックを攻略できない限り自力で順位を上げられない現状では、上位が倒れてくれることを期待するしかない。この時点でトップはNo.36。以下16、2、6、35、12、1、64、100、38。
7周目、No.6の野田選手がNo.2を抜いて3位に上昇。その後10周目にはNo.16を抜いて2位に。茂木のコースでは本山選手や野田選手のように多少リスクを犯しても無理矢理割り込まないと抜くのは難しいのだな・・・などと思っていると、野田選手がS字でスピンしてコースアウトしてしまう。何とか再スタートできたものの、大きく順位を落とし優勝戦線から脱落。もったいない!!でもマッシモが9位になったので良しとしよう。
周回遅れなどの影響で徐々にNo.100との差が開いてしまったマッシモだが、背後にはじわじわとNo.3のユニシアジェックススカイラインが近づいてきた。

No.16がNo.36を抜いてトップに立ったのはちょうど20周目。90度コーナーで追い抜くとあっという間に引き離した。順位は16、36、35、2、12、1、64、100、38、3。
23周目、No.32のフロントタイヤがバーストしやむなくピットイン。同時にドライバーも交代してしまう。cdmaOneは1年を通してあまり良い結果を出せないで終わってしまった。
波乱が起きたのは25周目。No.64が5コーナーでスピンすると、No.100も巻き込まれて下位に転落。コースに戻ったNo.64もマッシモの後ろまで順位を落とす。この結果No.38は5位に!!このまま上位でがんばって欲しいと思う気持ちもむなしく、29周目に再びNo.64に抜かれてしまう。

レースも中盤に入り各チームドライバー交代が始まる。No.38は33周目に立川選手に交代。No.100の飯田選手は34周目に国さんと交代。35周目、まだすべてのドライバー交代が終わったわけではないが、立川選手の位置は9位。
立川選手の猛烈な追い上げを期待したにも関わらず、41周目にトラブル発生。ピットインを余儀なくされる。12位でコースに復帰したものの11位のNo.30は遙か前を走っており、追いつくことは不可能に近い状態。ピットアウトしてからのペースは悪い方ではなかっただけに悔しい!!!
後半No.37とNo.64がピットスピード違反でペナルティを与えられる。49周目にNo.16が周回遅れのNo.6を抜こうとして90度でコースアウトしてしまい、一気に4位まで順位を落としてしまった。その後もマシンが安定せず、苦しみながら走ることに。
結局No.36が見事に勝利を飾り、2位はNo.1。さすがである。3位にはNo.2が入った。

全体的に縦長の展開で、順位の変動が少ないレースになってしまった気がする。マッシモは1度の3位表彰台以降良い結果を残せなかったのが残念である。今回のレースで一番印象的だったのはファイナルラップで観客の声援に手を振って応えてくれた国さんの姿。最後まで楽しませてくれた素敵なドライバーだった。本当にお疲れさまでした。


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