レースレポート
Formula-Nippon 第4戦 富士

[その1(いでっち)][その2(かもさん)]

その1

6月5日(土)

晴天のFISCOに到着したのは9:20。すでに公式練習は始まっていた。

観戦場所はダンロップコーナー。シケインを次々とマシンが通過してくる。立川選手もコースに出ているがあまりタイムが伸びない様子。5分走るとピットに戻り、セッティングを直して再度コースに出るという感じで、走り込むという様子ではない。ストレートではスピードが出るようだが、コーナーの曲がり方が毎回異なり、苦労しているようだ。

スピーカーからの放送が良く聞こえなかったので、途中の順位は分からないが、29周走った立川選手は、トップのトムコロネル選手から1秒476遅れの13位で公式練習を終えた。

パドックではまたマシンのセッティングを調整しているらしい。立川選手は監督と熱心にミーティング。関係者の人がパドックに訪れると笑顔で挨拶。自分に向けられたわけではない笑顔に惚れ直す(*^^*)。お昼に行われた2シーターマシンの試乗会はピットから眺めていた。

13:10に1回目の予選がスタート。1コーナーで観戦する。立川選手も早速コースインし、最初のアタックで3位に入るが、あっという間に7位まで落ちてしまう。予選開始から10分後にピットインし、セッティングを確認してまたコースに戻る。フリー走行同様、予選も長く走り込むことはしていない。

ダンブレック選手は最初に2周ほど走った後は姿を見せず、上位争いは中企、LeManの4台にTMSの2台とクルム選手が絡むかたちで進んでいく。相変わらず苦戦を強いられているローラ勢のなかで脇阪寿一選手が奮闘し、一時6位まで順位を上げる。

トップは本山選手で1分18秒536、以下光貞、コロネル、クルム、黒澤、シュワガー、脇阪、そして1分19秒172で立川選手という結果になった。

立川選手が上位に顔を出すことが無かったのが残念だが、2回目の予選に期待するしかない。

グランドスタンドに移動して14:55から2回目の予選。開始から5分の時点で立川選手は2位。しかしまだLeManの2台は出て来ていないので楽観はできない。7分に加藤選手が最終コーナー立ち上がりでクラッシュ。トップはコロネル選手、以下ダンブレック、立川、道上、飯田、クルムという順位で赤旗中断となる。

15:10に再開。一気に上位陣がタイムを出してくる。立川選手は2周アタックしただけでピットに戻ってしまう。再開から15分、1回目の予選でギアが壊れた山西選手が復活するが、やはりタイムを出すのは無理らしく、すぐに戻ってしまう。立川選手は何度か走って25分の時点でトップとは1秒差の1分19秒1というタイムである。

再開から30分現在の順位はコロネル、黒澤、ダンブレック、本山、クルム、光貞。なんとか3列目以内には入って欲しい立川選手は32分にニュータイヤで勝負に出る。しかしその後のコメントで「砂を踏んでしまった」と言っていたが、アタックに失敗し、順位を上げることができない。

上位はコロネル選手が17秒台を出してトップにでたが、なんとそれを抜いたのはルーキーのダンブレック選手。1分17秒442というタイムで見事ポールポジションを獲得した。以下、光貞、クルム、コロネル、本山、黒澤という順位で7位の立川選手までが17秒台を出した。

上位6台も強敵だが、背後からはTMSのシュワガー選手と、今回調子の良いARTAの脇阪寿一選手が控えている。なんとか決勝はスタートで引き離してもらいたい。

6月6日(日)

雨続きの昨年のシーズンが嘘のように、今年は晴天続き。7時にサーキットに入ったがすでに日差しは強くなっている。とりあえずパドックで立川選手を待ちかまえることにする。8:20頃立川選手がサーキット入り。う〜ん、私服姿もかっこいい。ファンの人たちに写真とサインを求められると、快く応じてくれた。

9:00からフリー走行が始まる。サントリーコーナーで観戦。7周ほど走って開始後8分にピットイン。10分の時点で立川選手は9位。5周走って再びピットに戻る。トップのコロネル選手は1分19秒7を出している。

30分のフリー走行が終了してトップはコロネル選手で1分18秒628。ダンブレック選手がここでも2位に。本山、クルム、黒澤、光貞、脇阪、山西、立川選手と続く。相変わらずのメンバーの中で脇阪選手が孤軍奮闘しているのが印象的である。というかローラの下に立川選手がいるというのが悲しい。

パドックに行くと、川本選手がなぜか私服でぶらぶらしている。それぞれのパドックの前にはたくさんの人が集まっている。ムーンクラフトのテントの屋根に、道上選手と影山選手と由良監督のマスコットが乗っていてとてもかわいい。立川選手は飯田選手のバイクの後ろに乗って、二人でどこかへ行ってしまった。

決勝の観戦場所は1コーナー。マシンが次々とコースインし、グリッドに着く。

14:25、いよいよ50周の決勝がスタート。フォーメーションラップではインパルの2台がストールしてしまい、押しがけでなんとかスタートする。各マシンがそれぞれグリッドに着き、いよいよスタート!!と思いきやイエローフラッグ。しかしなぜかグリーンフラッグも振られ混乱する。結局脇阪選手が最後尾スタートとなり、再びフォーメーションラップ。が、最終コーナーで脇阪選手がストップ。コース脇によけられなかったため、またもスタートやり直し!!脇阪選手のマシンをピットに戻し、48周のレースがいよいよスタート。

立川選手はスタートダッシュならず、シュワガー選手に抜かれ8位に落ちてしまう。スタートで飛び出したダンブレック選手は本山選手とコロネル選手に抜かれて3位まで転落。だが3周目に本山選手がサントリーコーナーでスローダウン。ピットに戻るが結局リタイア。立川選手は7位になるが、背後から道上選手がすごい勢いで追いかけてくる。そして5周目、1コーナーでかわされてしまった。更に14位スタートだった山西選手にまで抜かれてしまう。7周目に光貞選手にペナルティ、10周目にピットインしたため8位に。

立川選手を抜いたもののスピードのでない道上選手を必死に抜こうとする立川選手だが、1コーナーで押さえられ苦労したが、11周目にやっとのことで追い抜きスタート時の7位に戻った。この周では山西選手がシュワガー選手を抜き5位まで順位を上げている。

目標は前を走るシュワガー選手。しかし立川選手のスピードもあまり上がらず、シュワガー選手との差が少しずつ開いてしまう。

20周を終了して依然コロネルがトップ。少し遅れてダンブレック選手、3位の黒澤選手と4位のクルム選手は接戦である。以下山西、シュワガー、立川、道上、金石、ファーマン、加藤、川本、飯田、影山正美、影山正彦、野田、光貞、デルフラー、玉中。

25周目、1コーナーでクルム選手が黒澤選手を抜いて3位に。またペナルティを受けた光貞選手も必死の追い上げを見せ12位まで上昇する。立川選手もじわじわとシュワガーに近づいてはいるのだが、接戦になるまでは近づけない。

一方、今回大活躍の山西選手は38周に1コーナーで黒澤選手を追い抜き、10人抜きで4位に!!更にクルム選手にもどんどん近づいていく。そしてファイナルラップ。コロネル選手はダンブレック選手を引き離し余裕でフィニッシュを迎える。が、山西選手は最後の勝負に出る。ストレートで並び1コーナーでアウトから攻めるがクルムも負けられない。そして接触!!順位は変わらず2台ともコースに復帰しそのままフィニッシュ。息を付く暇もなく金石選手と光貞選手まで1コーナーで接触。残念なことに金石選手はリタイア。コロネル選手が手を振ってファンの声援に応える脇で、とぼとぼと歩いていた・・・。

結局立川選手はシュワガーに近づくことはできずノーポイントの7位に終わってしまった。後半の走りはなかなか良かっただけに、スタートと前半の走りが課題な気がする。次は鈴鹿、立川選手のバースデーイヴである。表彰台でシャンパンを受け取るのが何よりのプレゼントなはず。がんばれ!!

その2

予選日

Bコーナーでフリーを見る。実はここを見るのは初めてなので、ポイントがどこなのか良くわからん....(ってほかならわかるのか?)

このコーナーの立ちあがりは、最終コーナーの加速、そして長い長いメインストレートのトップスピードに影響するはずで、レースを占う上ではやはり重要なポイントではあるはず。

どうも立ちあがりポイントにバンプがあるようだ。ここに着目してみると、ローラ勢が結構苦労しているのは良くわかる。レイナード勢はまあ、安定しているようなのだが....その中でも立川選手は悪いほうに見えた。

ん〜、なにが悪いのか....初期セットアップを見失っているようで、どうも気になる。ラップタイムがわからないので、杞憂であればいいのだが....、

予選1回目

1コーナーでみる。ここは決勝を見るつもりの場所なので、決勝を占うためにはよいかと思って、こっちにきてみた。

コントロールタワーの電光掲示板に11番は乗らない。タイムが把握できていないのだが、走りを見ていると、とにかくおかしい。

1コーナーの立ちあがりでギアがあっていないのか、アクセルをどんと踏めていない感じがする。終盤ははやめはやめのギアチェンジに切り替えたのか、シフトアップのタイミングは早いようだ。それで大丈夫なのか?

ここで見ていると、トムコロ、シュワガーがいい感じである。クルムも時差ぼけてないようだ。(笑)

予選2回目

さて、本番の予選である。メインスタンドに移動。

ここは走りを見る場所ではないから、予選1回目からの車の挙動変化はわからない。ガレージの動きにも注目するが、淡々と仕事しているようで特に慌てた様子は無い。(これがいいのか悪いのかは良くわからないが)

結局電光掲示板に11番を出すことなく、予選が終わる。おかしい。少なくても終盤に1度くらいは番号を出してもらわないと....

結果的にはどうも 7,8番手あたりでかなり熾烈な状況になっていたらしいのだが....

さてこの予選、とんでもない結果となった。ダンブレックがポールなのである。個人的に今年の立川選手の実質的なライバルはダンブレックだと思っていたので「先越されたか」と思う。ここ数戦での実質的なライバルは、TMSの2台、5次元といったところか。

私が主催するMLでちょっと話しをしていたのだが、やはりセルモはセットアップを見失っているという意見が出てきた。確かに現状ルマンと中企に勝つためにはギャンブルも必要なのだが、それで混乱してしまってはどうしようもないという感じはする。
今後のチーム全体を含めた立てなおしを期待したいと思う。(何をえらそうに....)

決勝日

フリーをAコーナーで見る。....あまり記憶が無い。(笑)

そういうわけで、決勝が始まる。(^^;;

スタート前に寿一エンジンストップなどで混乱するが、2周減算でスタートがきられる。 う〜む。またもやスタートはよいと言えない....シュワガーに抜かれる。その後のペースも上がらない。

後ろから一気にペースアップしている道上が迫る。予選をまともに走れなかった山西もくる。2台にかわされる....しかも道上とは言え、相手はローラである。

結局シャーシ性能で道上は抜き返すのだが、序盤にペースアップできないと、前との差が開いてしまう。特に上位陣は序盤のペースアップが上手い。

この序盤のペースが上がらないというのはかなり影響が大きいと思う。せっかくの予選順位もこれで不意にしているレースがいくつかあるし、混乱に巻き込まれる可能性もかなり高い。(まだないけど)
ここを課題にして頑張って欲しいです。

レース終盤立川選手はシュワガーに接近して行く。徐々に、徐々に近づく....が、追いつく + 追い越すだけのラップタイム差はない。

同じ時、3位クルムに接近して行っている山西と比べてしまうが、この迫力が立川選手にはないのである。これは残念だ。抜ければ1ポイントがあるだけに。

結局立川選手はシュワガーにちょっと遅れる 7位。ポイントならず。 これではどうもいかんなぁ....もっと前を走れると思うだけに非常に残念だったりする。

次は鈴鹿である。開幕戦でポイントを一応取っているので、期待したいと思う。


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